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2005年4月 9日

破線のマリス(野沢尚)


報道番組「ナイン・トゥ・テン」の中の人気コーナー「事件検証」を担当するのは遠藤瑤子。彼女は映像に「実」と「虚」を巧みに入れ、視聴者の心をつかんでいた。ある日彼女の元に内部告発のビデオを持った男が現れる。巧妙に仕掛けられた罠が、彼女を待ちかまえていた・・・。江戸川乱歩賞受賞作品。

映像は視聴者にきっかけを与えるだけ。見てどう判断するのかは視聴者しだい。だがそれは作り手側の詭弁にすぎない。一人の男が容疑者扱いされる。その中では容疑者と断定していなくても、見ている側にはそうとしか思われないように作られた映像・・・。映像が一人の人間を破滅させるさまはぞっとするほど恐ろしい。だが瑤子を支えてくれるはずの映像は、今度は彼女自身に牙をむく。追い詰める側から追い詰められる側へ。そして行き着く先は・・・?最初から最後まで続く緊迫感は、読み手を作品の中へと引きずり込む。一気読みだった。

ゆこりん : 19:47 | コメント (2) | トラックバック (1) | 作者別・・のざわひさし

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著者:野沢尚 第43回江戸川乱歩賞受賞作品。99年には、黒木瞳、陣内孝則らの出演 [続きを読む]

トラックバック時刻: 2005年6月25日 08:01


コメント

ゆこりんさん、ぜひ「砦なき者」に直行してください。
「破線のマリス」の続編です。
とにかく読んだあとすぐをおすすめします。

ちなみに「破線のマリス」衝撃でしたね。
去年のランキング入りの作品でした。
僕も瑤子と同じような疑いを持ってしまってましたよ。

投稿者 ats : 2005年4月11日 01:31

atsさん、おはようございます(*^▽^*)
実は「しゃばけ」を読んでいました(^^;でも今積読本の
中から「砦なき者」を引っ張り出しました。「しゃばけ」を
中断して読みます(o^-^o) atsさんがそこまで言うのには
きっと何かある(笑)?「マリス」のラストはちょっと意外でした。
思わず「うーん」とうなってしまいました。野沢さんのうまさ
かな~。限りなく五つ星に近い四つ星でしたσ(^_^)

投稿者 ゆこリん : 2005年4月11日 08:17