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2005年3月11日

弘海ー息子が海に還る朝(市川拓司)


寂しくないって言ったら嘘になる。君との思い出は決して忘れない。
愛する息子が旅立とうとするとき、家族はどうすべきなのか?弘海が生まれたときから成長するまでの思い出をたどりながら、未来を見つめようとする家族の物語。

ささやかな始まり。それが、時間がたつにつれどんどん大きくなっていく。もっと一緒にいるはずだった家族。別れは思ったよりも早くやってきた。愛する者が離れていく悲しみは、経験した者にしか分からないだろう。だが、子供たちはいつかは親元から飛び立っていくものなのだ。寂しくても悲しくても、笑顔で送り出したい。どんなに離れていても、家族の絆は決して切れることはないのだから。

ゆこりん : 19:22 | 作者別・・いちかわたくじ