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2005年3月10日

グランド・フィナーレ(阿部和重)


「娘に会いたい。」職も家族も失った沢見は、空虚な日々を送っていた。実家に戻った彼は、店の手伝いをしながら二人の少女に芝居を教えることになる。少女たちの悲壮なまでの芝居にかける情熱。その裏に隠された思いに気づいた彼は・・・。表題作を含む4つの作品を収録。

「グランド・フィナーレ」に出てくる沢見は、妻が離婚したいと思っても仕方がないような男だ。ある出来事がきっかけで、自分の大切なものをすべて失ってしまう。自堕落な生活。だがラストでは、そこから抜け出そうとする彼の姿を見たような気がした。沢見という男は再生するのかもしれないという余韻が残る。しかし作品を読んだ印象はあまりいいものではなかった。難解な部分もあるし、必要なのだろうかと疑問に思う描写もあった。ちょっと苦手な作品だった。

ゆこりん : 12:55 | コメント (2) | トラックバック (1) | 作者別・・あ他

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  ○ 『アメリカの夜』   ◎ 『ABC戦争』   ○ 『インディビジュアル・プロジェクション』 ◎◎ 『公爵夫人邸の午後のパーティー』 ◎◎ 『無情... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2005年3月15日 07:37


コメント

こんにちは
おとぎさんとこから、出張でまりました(笑)。
阿部ちゃんの作品のお話で。
「阿部和重のことども」をTBさせていただきましたんで、
一応個人的には評価記号通りですね。

ただ、初期の作品あたりから読むのであれば、
スタンダードで阿部和重的な『インディビジュアル~』あたりを読んで、
面白ければ他の作品にという読み方もいいかと。
◎◎作品が、一番のお薦めではありますが。
ではでは(^.^)

投稿者 聖月 : 2005年3月15日 07:42

聖月さん、こんにちは。
わざわざありがとうございました。
聖月さんのblogを拝見しました。「グランド・・・」は
あまり評価が良くない作品なんですね。
一番初めにこの作品を読んだので、阿部さんへの印象があまり
よくありませんでした(^^;ほかの作品から入ればよかったかな?
早速メモしましたm(_ _"m)

投稿者 ゆこりん : 2005年3月15日 16:18