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2005年2月27日

ユージニア(恩田陸)


青澤家当主の還暦祝いが催された日、大量毒殺事件が起こり17人もの犠牲者が出る。青澤家で生き残ったのは盲目の少女ただ一人だけ。誰が何のために?犯行現場に残されたメモにあった「ユージニア」とはいったい何なのか?さまざまな証言で、事件の輪郭が浮き彫りにされていく・・・。

事件が、いろいろな人たちの証言で立体的に見えてくる。だが、さまざまな角度からどんなに語られようと、誰にも真相は分からない。見えてくるのは個々の人間の思惑ばかり。それは喜怒哀楽さえも超えた、もっと本質的なドロドロとしたもののように思える。
忘れ去られようとした事件は、1冊の本になったことで犯人の姿が見えてくる。そして新たな悲劇を生んでいく。犯人にたどりついたとき、触れてはいけないものに触れてしまったような恐怖を感じた。恩田陸の独特の世界を充分に堪能できる作品だった。

ゆこりん : 19:24 | コメント (9) | トラックバック (13) | 作者別・・おんだりく

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トラックバック時刻: 2006年7月 2日 19:04


コメント

ゆこりんさん、こんばんは。
TBありがとうございました。
ゆこりんさんが感じられた恐怖はなんとなくわかります。
私も真犯人の気持ちを思うとぞぉ~っとしてきました。
本当に堪能できた作品でした。
それでは、また。

投稿者 でこぽん : 2005年2月27日 21:30

ゆこりんさん、お邪魔します(^v^)
先日「まひるの月を追いかけて」で、初めて恩田さんの本を読みました。
なんとなくピンとこなかったんですけど、はっとすることも多くて、他の作品も読んでみたいと思いました。
恩田さんの作品はたくさんあるから、どれにしたらいいのか迷ってましたが、ゆこりんさんの紹介を見てたら「ユージニア」が読みたくなりました!

投稿者 しおん : 2005年2月27日 22:17

>でこぽんさん
こんばんは~♪言い知れぬ恐怖がこの作品にはありますよね。
読んでいて怖くなりました。恩田さんの作品はとても好きです。
特にこういう作品は好みです(*^▽^*)待ったかいがあったわ~♪

>しおんさん
こんばんは~(o^-^o)
恩田さんの作品は分かりやすいのから分かりづらいのまで
たくさんあります。
楽しむなら「ドミノ」なんかがおすすめです♪ぜひ!
私は「月の裏側」という作品を読んでから恩田さんが好きに
なりました。でもこの作品は好き嫌いがあるかな?
あと「夜のピクニック」がいいと思います(o^∇^o)ノ

投稿者 ゆこりん : 2005年2月28日 22:02

ゆこりんさん、こんにちは!
「恩田陸さん…」にTBありがとうございます(ぺこり)
柊は読むのが惜しくてつい『ユージニア』を後回しに
しちゃってますが…^^;
良い評価をたくさん目にするので、読むのがますます
楽しみになってきました!

投稿者 : 2005年3月 4日 09:59

柊さん、( ^-^)ノ(* ^-^)ノこんばんわぁ♪
「ユージニア」よかったです。人の心の怖さを感じる作品
でした。柊さんもぜひぜひ!!
でも、読むのが惜しいと言う気持ち分かります。
柊さんの感想を楽しみにしています(o^-^o)

投稿者 ゆこりん : 2005年3月 4日 19:20

こんにちは!
私もユージニア読みました。
TBさせていただきました。
疑問がいっぱいで読み終えてしまったのが残念です。
ひとつ聞いてもいいですか?
途中に出てくる「久代」という人物は誰なのでしょう?
再読までしたのですが結局わからずじまいです(悲)
面白いと感じるところが多かったので、気になってしかたありません。
殺人の動機は結局なんだったのでしょう??
質問ばかりですみません。
私も、おもしろかった!!といいたくて仕方なかったもので・・・(笑)

投稿者 ゆう : 2005年4月18日 17:03

ゆうさん、こんにちは~♪
15日から21日まで旅行に行ってきたので、返事が遅くなって
しまいました。ごめんなさいm(_ _"m)
久代はやはり青澤緋紗子ではないでしょうか?仮名にしたことに
ついてはいろいろな意見があるようです。
http://myrecommend.jugem.jp/?eid=332
↑のサイトをのぞいてみてください。いろいろな人の意見が
見られます♪
動機については、やはり緋紗子の内面、心にあるのかな~と
思っています。この本は何度も読み返さないとその真髄が
分からないかも・・・。いや、何度読んでも分からないのかも
しれません。謎がいっぱい(^^;
図書館から借りたので、手元にないのが残念です。できれば
ほしい・・・(@ ̄¬ ̄@)ジュルリ♪

投稿者 ゆこリん : 2005年4月22日 16:21

ゆこりんさん、こんにちは。
ユージニアを先ほど読み終わりました。
いや~~、実にこんなに読んでいて「ゾ~~ッ」とする本は久しぶりでした。
私は特にヒサコがブランコに揺られて笑っていたというのを読んだ時に一番ゾゾ~~ッとしましたね。
何だかものすごく集中して読んでしまう一冊だったと思います。
恩田陸氏の作品はこれがはじめてでしたが、他の作品も読んでいたいと思いました。

投稿者 とまと : 2005年5月15日 12:18

とまとさん、こんにちは~♪
ぞ~~っとする話ですよね。人の心に潜むものの恐ろしさが
とてもよく表現されていると思います。
ほかの恩田さんの作品もぜひ読んでみてください(*^▽^*)

投稿者 ゆこリん : 2005年5月15日 15:28