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2004年11月26日

出口のない海(横山秀夫)


甲子園の優勝投手である並木浩二は、大学に入ってからヒジの故障で苦しんでいた。ある日彼は、速球のかわりに魔球を投げることを思いつく。毎日練習に明け暮れる日々。だが、戦争の暗い影が日本全体を覆い始めていた・・・。

平和な世の中なら、勉強に、スポーツにと、毎日の生活を楽しんでいる時期だろう。だが戦争は、並木やその仲間たちを戦場へと送り出す。そして並木は「回天」に乗ることを決意する。それは特攻兵器!一度それに乗って出撃すれば、二度と生きては戻れない。家族や恋人への思い、そして「生」への未練。並木の心は揺れる。その心情が痛いほど伝わってくる。最後まで魔球完成を夢見た並木。その思いを受け止めた仲間たち。戦争の悲惨さをあらためて思う。できれば、マウンドの上で魔球を投げさせてやりたかった。こんな悲劇がもう二度と起こらないようにと、願わずにはいられない。

ゆこりん : 11:45 | コメント (2) | トラックバック (4) | 作者別・・よこやまひでお

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コメント

私も一昨日読みましたがすごくよかったです。
私の中には久々にいい作品に出会ったという感じです。
横山秀夫はいいですね~。

投稿者 鼠 : 2004年11月29日 00:48

鼠さん、おはようございます。
この作品は、戦争の悲惨さについて考えさせられる作品だったと
思います。他の横山作品とは一味違いますよね。
横山作品、私もいいと思います♪これからもどんどん読むわ~♪

投稿者 ゆこりん : 2004年11月29日 08:16