« 追憶のかけら(貫井徳郎) | メイン | 犯人に告ぐ(雫井脩介) »

2004年10月 4日

真夜中の神話(真保裕一)


「仕事優先の生活が、夫と娘を死に追いやった・・。」
癒えることのない傷を心に抱えている晃子。ある日彼女の乗った飛行機が墜落した!瀕死の彼女を助けたのは、外部との接触を断ち続ける村の住人だった。そしてその村には、神秘の歌声を持つ少女がいた・・・。今なお残る吸血鬼伝説とは?

晃子の驚異的とも思える傷の回復ぶり。吸血鬼伝説におびえる地元住民たち。そこにからむ、少女を狙う謎の男たち。そして殺人事件。これらがどうつながっているのか?少女の歌声にはどんな秘密があるのか?緻密な描写はさすがだと思う。しかし、「どこかに無理があるのではないか?」読んでいる間中、その思いを拭い去ることが出来なかった。晃子の、家族を失った苦悩もうまく伝わってこない。最初から最後まで、心が入り込めない作品だった。

ゆこりん : 14:23 | 作者別・・しんぽゆういち