« 西の魔女が死んだ(梨木香歩) | メイン | 象牙色の眠り(柴田よしき) »

2004年9月23日

盗聴(真保裕一)


永田町のどこかに盗聴器が・・。電波の発信源を特定し、プロテクトを解除したとたんレシーバーから聞こえてきたのは、殺人現場の音だった・・。表題作を含む5編を収録。作者の初の短編集。

人の心に何が潜んでいるのか・・。知られたくない過去を隠すため、日ごろの恨みを晴らすため、人は罪を犯す。人の心というのは、とても怖い一面を持っている。作者は、犯罪に至るまでの過程や、その後の様子をとてもよく描いている。どの作品も、充分に練られているといった印象だった。長編にはない作者の魅力が、よく出ているのではないだろうか。

ゆこりん : 15:43 | 作者別・・しんぽゆういち