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2004年8月26日

死にぞこないの青(乙一)

ふとした誤解から、担任の先生やクラスメートからいじめられるようになった。弁解もできないまま、クラスの中で孤立していく。やがて芽生える憎悪。マサオは自分の傍らに、青い少年の存在を感じるようになる。

物事をはっきりと言わない性格のマサオにもどかしさを感じる。人は自分より弱い人間をいじめたがる。いじめられたまま自分の殻に閉じこもっていては、負けてしまう。いつまでも同じ状況が続くだけだ。それを打ち破れるだけの強さや勇気があれば・・・。だが、すべての人が強さや勇気を持っているわけではない。現実の中でも繰り返される悲劇。それを無くすることはできないのだろうか。

ゆこりん : 16:52 | コメント (4) | 作者別・・おついち


コメント

私もこの本読みました~。
というか乙一さん大好きなのでw
主人公はいじめられてしまいますが、しょうがないことだと
半ば諦めて受け入れてしまう。
受け入れなくては生きていけないような状況が、読んでいて怖かったです。
私も主人公の心と重なる部分を持っており、
かな~り他人事でなく自分のこととして読んでいたので、
とてもとても心に響く作品でした。

投稿者 リョー : 2004年11月 9日 00:02

リョーさん、こんにちは♪
だんだんとそういう状況を受け入れてしまう心理の変化。
人はそういう状況に置かれたとき、こうなってしまうのかもしれないです。
よく考えるとかなり怖いですよね。今のいじめもそういうところがあるのかと
思うと、暗い気持ちになります・・・。
いじめはいやですね。こういうことがなくなればいいと思います。

投稿者 ゆこりん : 2004年11月 9日 13:46

私も読みましたw
読んでて腹が立ちました。先生や今まで仲良くしてた人達に!だけど、これも人の心が弱いせいなんですよね。

投稿者 零夜 : 2005年7月26日 11:52

零夜さん、初めまして。
これを読んでいるとぞっとします。
いじめられる側にも心の強さを要求したくなりました。
でも・・・実際にこんなことが起こったら本当に
自分は大丈夫なのだろうか?そういう不安も感じます。

投稿者 ゆこリん : 2005年7月26日 14:02