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2004年6月11日

イン・ザ・プール(奥田英朗)

イン・ザ・プール
明るく清潔な感じの伊良部総合病院。その地下1階に「神経科」はあった。精神科医伊良部一郎。彼のユニークな人柄が、悩める患者を救う(?)はたして彼は名医か迷医か?

まじめなのか、冗談なのか?治療なのか、単なる思いつきなのか?訪れた患者は、伊良部の言動に面食らう。自分自身、おかしいのではないかと悩み訪れた病院に、明らかに自分よりおかしいと思われる人間が医者として存在している。その現実に直面しただけで、病気がなおってしまいそうだ。この本には5つの話がおさめられているが、最初の、本の題名にもなっている「イン・ザ・プール」が一番よかった。2つ目以降話が進むにつれて、伊良部の人柄が歪んでいくような感じがした。おもちゃで子供と張り合ったり、マザコンだったり・・。読んでいてちょっと引いてしまった。そこが残念だった。

ゆこりん : 14:23 | 作者別・・おくだひでお