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2004年5月24日

新選組血風録(司馬遼太郎)


それぞれどういういきさつで、どういう思いで新選組に加わったのか?そして、その後の運命はどうだったのか?新選組に関わった人物を生き生きと描いた15編を収録。

一口に新選組と言っても、それを構成する人々の思いは様々だ。感情的な問題、利害関係などで、本来の目的とは別のところで、人と人との斬り合いが始まったりもする。隊としての統制を保つための厳しい隊規。それを守ろうとする者、守らせようとする者、またそこから逃れようとする者。凄まじい人間模様が浮かび上がる。だが彼らのほとんどは、歴史のうねりの中に消えていった。その最期を思う時、彼らに対し哀れさを感じる。これほど多くの犠牲をはらわなければ、歴史を変えることは出来なかったのか?歴史が変わるということは、そういうことなのか?歴史とは、戦いの記録なのかもしれない。

ゆこりん : 14:57 | 作者別・・しばりょうたろう