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2004年5月19日
重力ピエロ(伊坂幸太郎)
連続放火事件発生。その現場の近くには必ずグラフィティアートが。そこに書かれている言葉は何を意味するのか?遺伝子のルールに秘められた謎とは?
全体的に軽快なテンポで描かれている。放火事件の謎解きの面白さだけではなく、親子、兄弟のほのぼのとした関係も読んでいて好感が持てた。泉水と春。二人は父親違いの兄弟だ。しかし、育ての父と春の間には、血のつながりを超えた絆があった。だが一方で、遺伝子レベルでのつながりを断ち切れない春。そこから起こる事件。そして結末。ラストへの持って行き方が見事だ。「重力ピエロ」という題名に託された作者の思いが、しっかりと伝わってくるのを感じた。
ゆこりん : 14:35 | 作者別・・いさかこうたろう