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2004年5月 3日

送り火(重松清)


さびれていく街。以前は「ドリーム団地」とまで呼ばれた公団住宅に、年老いた母は一人で暮らしていた。近くにあった遊園地も今は廃園になり、残骸だけが残っている。同居を勧めるため、弥生子は母のもとを訪れたが・・・。表題作「送り火」を含む10の短編を収録。

生きていくことがつらくなる時がある。この作品の中に出てくる人たちもきっとそうなのだろう。だが、みんなぎりぎりのところで生きとどまっている。それは、今日が明日につながることを、知っているからなのだろうか?泣きながら悩みながら、それでも前へ進もうとする姿は、読んでいて目を背けたくなるほど切なかった。どの作品にも、救いがほしかった。読んでいて、ほっとする部分がほしかった。そうでなければ、あまりにも悲しすぎる。

ゆこりん : 16:51 | 作者別・・しげまつきよし