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2004年4月19日

蛇行する川のほとり(恩田陸)


「船着場のある家」。そこに越してきた香澄。彼女は毬子に、夏休みの九日間を一緒に過ごそうと提案する。その船着場のある家には、過去に不幸な出来事があった。香澄が毬子を誘った意図は何か?隠された真実とは?

三部作のこの作品は、それぞれの部ごとに視点を変えて描かれている。一方向から描いてしまうと平凡な作品に終わってしまったかもしれないが、視点を変えて描くことにより、この作品を立体的に、より深みのあるものにしている。何気ないしぐさの中に、少年や少女たちの揺れ動く心が見え隠れする。彼らは、未来を希望あるものにするために、過去の不幸な出来事を無意識のうちに封印してしまう。しかし、その封印が解かれたときに悲劇は起きた。香澄はそれで満足だったのだろうか。私は、とても哀れな気がしてならない。

ゆこりん : 08:39 | コメント (2) | トラックバック (3) | 作者別・・おんだりく

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コメント

こんにちは。
TBありがとうございました。TBしますね。
恩田さんいいですね。
情景がきれいなんですよね。
過去が明らかになるにつれて、ドキドキ。
でも終わってしまう。
早く次を読みたいという気になる作品でした。

投稿者 よし : 2005年1月16日 14:48

よしさん、( ^-^)ノ(* ^-^)ノこんばんわぁ♪
恩田さんは好きな作家さんの一人です(o^-^o)
「蛇行する川のほとり」も味わい深い作品でした。
これからも恩田さんの作品をどんどん読んでいきたいです。
コメント、ありがとう(*^▽^*)

投稿者 ゆこりん : 2005年1月16日 19:47