« 誰か(宮部みゆき) | メイン | 蛇行する川のほとり(恩田陸) »

2004年4月18日

嗤う闇(乃南アサ)


連続レイプ事件が発生!音道貴子が現場に急行してみると、そこには通報者でありながら犯人だと疑われた、恋人の羽場昴一がいた。被害者の女性はなぜ、たまたま居合わせただけの昴一を犯人だと言ったのか?表題作を含む4つの短編を収録。

ご存知、音道貴子シリーズの第3弾。「凍える牙」「鎖」と違い、今回は4つの短編として描かれている。巡査部長に昇進した貴子が扱う事件に、派手さはない。どこにでも起こりうる事件を扱っている。だが、事件が派手であろうとなかろうと、そこには苦悩する人々が存在する。そういう人に向ける貴子の目は温かい。彼女自身、いろいろなことを経験し成長したという感じがする。以前コンビを組んだ滝沢とのエピソードも面白い。彼女にはこれから先も、もっともっと活躍してもらいたいと思っている。

ゆこりん : 08:36 | 作者別・・のなみあさ