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2004年3月31日

後巷説百物語(京極夏彦)


昔から伝わる不思議な話、奇怪な話、恐ろしい話。それらは果たして真実か?いろいろ起こる事件の謎を解き明かす鍵が、果たしてそこには隠されているのか?4人の男たちが今日もまた、謎を解くために一白翁のもとを訪れる・・・。直木賞受賞作品。

様々な時代、全国各地に不思議な話は存在する。それが真実であるのかどうかは、確かめるすべがない。だが、そうした話には必ず裏があると語る一白翁の話は、文句なく面白い。それは人の心の迷い、恐れ、うしろめたさなどが作りだす幻なのかもしれない。
「祟りとは、発する方の意思が及ぼすものではなく、受ける方の心持ちが発生せしめるものなのですよ。」この言葉が印象深い。「幽霊の正体見たり枯れ尾花」ということもある。本当に不思議なもの、恐ろしいものは、人の心の中にあるのではないだろうか。

ゆこりん : 15:01 | 作者別・・き他