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2004年3月26日

解夏(さだまさし)


しだいに視力が失われていく難病に侵された隆之は、東京から故郷の長崎へもどった。一方的に婚約破棄を言い渡された陽子もまた、隆之の後を追い長崎へ・・・。二人は訪れた寺で、ある老人から「解夏」の話しを聞く。表題作を含む4つの短編を収録。

飾らない、さらりとした文章で、人の日常の営みを紡いでいる。時には、おのれの運命としっかりと向き合うまでを描き、そして時には、家族や親子のあり方を描いている。逃げてはいけないこと、向き合わなければならないもの、受け入れなければならない運命。人が生きていくうえでぶつかるさまざまな現実。その描かれている全てが胸にしみる。心が優しくなれる本だと思う。

ゆこりん : 14:58 | 作者別・・さ他