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2004年2月23日
光ってみえるもの、あれは(川上弘美)
普通とはちょっと違う家庭に育った、江戸翠。彼の家族と、友人と、恋人と・・。16歳の少年の日常を、鮮やかに描いた作品。
いろんなこと経験したい、いろんなことを知りたい、ちょっぴり背伸びして、大人の世界をのぞきたい。16歳は、大人と子供のはざまの年齢だ。翠は、いろいろなことを聞き、いろいろなものを見て、いろいろなものに触れ、少しずつ成長する。その過程がほほえましい。登場する、翠をとりまく人たちも、とても個性的に描かれていている。翠と大鳥さん、二人の父子らしからぬ親子関係も素敵だ。翠の経験したことは、きっとキラキラ光り、これからの彼の人生を明るく照らしてくれるに違いない。