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2004年2月10日

鎖(乃南アサ)


占い師の夫婦と、信者、あわせて4人が惨殺されるという事件が発生。音道貴子は、警視庁の星野という男とコンビを組み捜査を開始するが、意見が衝突。ついには一人で捜査をする。しかし貴子は睡眠薬を飲まされ、惨殺事件の犯人に連れ去られてしまう。彼女は無事に救出されるのか?

「凍える牙」では颯爽とバイクに乗っていた音道貴子。しかしこの作品では、彼女は犯人に拉致され、常に命の危険にさらされている。鎖にとらわれ身動きできないのは、何も体だけではない。犯人の中にいた中田加恵子は、心に鎖を巻きつけていた。貴子はこの鎖をほどくことが、事件解決の糸口になると確信する。加恵子が貴子を信頼したとき、この心の鎖は解ける。そして、貴子も仲間を信頼していたからこそ極限の状況の中、耐えることが出来た。救出劇は感動的でさえあった。それにしても、星野は最後までいやなヤツだった。

ゆこりん : 15:08 | 作者別・・のなみあさ