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2004年1月31日
世界の中心で、愛をさけぶ(片山恭一)
心から愛した人は不治の病に侵され、この世を去っていった。彼女との数え切れない思い出を、朔太郎はひとつひとつたどり始める・・・。
どんなに待っても、愛する人は二度と帰ってこない。彼女はもう思い出の中だけの存在になってしまった。愛する人を失った悲しみは、深く心を傷つける。だが、どんなにつらくても人はそれを乗り越えて生きていかなければならない。「大切な人の死は、わしらを善良な人間にしてくれる。」「人の死は、わしらの人生の肥やしになる。」朔太郎の祖父の言葉が、痛いほど胸に響く。心にしみる作品だった。