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2004年1月27日
蹴りたい背中(綿矢りさ)
理科の実験。グループ編成から余ってしまった私は、やはり余り者となった一人の男の子、にな川と同じグループになる。あることがきっかけで、二人は話をするようになるが・・・。高校生の気持ちを同世代の目から描いた、芥川賞受賞作品。
忘れていた。自分が高校生の頃のことを。あの時、何を見つめ、何を思っていたのか。「今どきの高校生」と人は言うけれど、あこがれるもの、悩むものに、今も昔もたいした違いはないのかもしれない。そこには、一歩踏み出せずにいる自分がいる。背中を蹴りたいのか、蹴られたいのか?どちらにしても前へ進める。そんな気がした。