« 神の火(高村薫) | メイン | フォー・ディア・ライフ(柴田よしき) »

2004年1月13日

影武者徳川家康(隆慶一郎)


天下分け目の関ヶ原の戦い。そのさなか、徳川家康が武田の忍びに暗殺された!天下統一、徳川家の存続を賭け、徳川方は家康の影武者を、家康本人に仕立てることにするが・・・。

関ヶ原の戦い以降の家康が実は影武者だったという、奇抜なストーリー。その発想に読者はあっと驚くに違いない。さまざまな記録書の引用があるが、それを読むとなるほどそういう解釈もあるのかと、感心させられる。家康思いの親孝行な息子として伝えられている秀忠。その秀忠もここでは腹黒い男として描かれている。影武者家康と秀忠のその攻防は、まさに手に汗握る激しさだ。
真実を知るすべはない。しかしこの本を通し、過去の歴史にさまざまな思いをめぐらせるのも、楽しいかもしれない。

ゆこりん : 15:36 | 作者別・・り