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2003年11月 6日

白い巨塔(山崎豊子)


外科医として抜群の腕を誇る財前五郎。彼には野望があった。教授選、学術会議選・・・。地位や名誉を追い求める彼だが、その先には思わぬ落とし穴が待っていた。

大学病院という巨大な建物の中で名誉や地位を求め、お金が動き、策略がはりめぐらされる。ここでは患者さえも利害関係の対象となってしまう。財前五郎は地位を得るためひたすら突っ走る。しかし、行き着いた先で彼を待っていたのは、あまりにも皮肉な運命だった。それが、名誉や地位を手に入れるための代償だとしたら、あまりに哀れすぎる。彼は後悔しただろうか?それとも、無念なだけだったのだろうか?もし、医者として純粋に生きていたなら・・・。そう思うと、残念でならない。

ゆこりん : 11:21 | 作者別・・や他