« 黄泉びと知らず(梶尾真治) | メイン | 奪取(真保裕一) »
2003年9月17日
リセット(北村薫)
昭和20年5月に空襲で命を落とした修一。彼を慕い続けていた水原真澄は、それから10数年後に一人の少年に出会う。真澄は少年の中に修一の姿を見るが・・・。時の流れを超え、結び合う命の物語。
前世で愛し合った者どうしは、生まれ変わっても愛し合うと聞いたことがある。修一と真澄。二人は時を超え出会う。修一や真澄は、私の父や母の世代と重なる。そして、村上和彦。彼は作者北村薫と同じ年、私より少し年上だ。ここに描かれている時代背景は、私の心を揺さぶるのだ。忘れかけていた幼い頃の記憶がよみがえってくる。作者と同じ時代を生きてきた私には、胸が痛いほど懐かしい。そんな気持ちで読んだこの本には、心打たれるものがあった。出会いと別れを繰り返し、人は時を超えても愛し合う。思いは深く遥かに・・・。
ゆこりん : 10:10 | 作者別・・きたむらかおる