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2003年8月24日

ブルーもしくはブルー(山本文緒)


「もしもあの時、別の道を歩んでいたら・・・。」誰しもが一度は必ず思うこと。蒼子は、別の道を選択したもう一人の自分に出会ってしまった。結ばれることのなかった相手と結婚したもう一人の自分。彼女はふと、あることを思いつく。

「もしもあの時・・。」そう考えることはあっても、実際に別の人生を歩んでいる自分の姿を、想像することさえ難しい。だが、自分が不幸だと感じれば感じるほど、その思いは強くなる。だからといって、別の人生が必ずしも幸福だとは限らない。もう一つの人生を望んだ蒼子。その彼女を待っていたのは恐ろしい出来事だった。人は一度決心したら、決して振り返ってはいけない。どんなことがあっても、今の人生を大切にするべきなのだ。

ゆこりん : 10:39 | 作者別・・や他