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2003年8月24日

壬生義士伝(浅田次郎)


吉村貫一郎。彼は妻子を貧困から救うため、やむを得ず脱藩する。やがて彼は新撰組の一員となり、幕末から明治にかけての激動の時代を駆け抜ける。独特の視点から新撰組を描いた傑作。

時代の大きなうねりの中、人はどう生きていくべきか?死ぬことにも生きていくことにも、理由がなければならないのだろうか?おのれの信念のため戦う者、おのれの信念を捨て戦う者。激動の時代と呼ばれた幕末から明治。新たな扉を開くために、どれほど多くの人の血が流れたことか。そしてどれほど多くの人が涙を流したことか。読んでいて胸が痛くなるほど切なかった。吉村貫一郎と家族、そしてそれを取り巻く人々。彼らの目に、はたして今の日本はどのように映るのだろう。

ゆこりん : 08:02 | 作者別・・あさだじろう