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2003年8月 7日

リアルワールド(桐野夏生)


隣に住む高校生の男の子ミミズが、母親を殴り殺した。十四子は、携帯と自転車をミミズに盗まれたのをきっかけに、ミミズと知り合いになる。十四子の友達3人も加わって、彼女たちはミミズの逃亡を応援することになるのだが・・。

何だかあり得なさそうな話で、あり得る話かもしれない。平然と自分の母親を殴り殺して逃亡を続けるミミズ。それを興味津々で見つめる女の子たち。いまどきの女の子ってこんな感じなのだろうか。自分自身に直接関係のないことなら、一歩下がってクールに見つめる。時には楽しみながら。だが、好き勝手なことをしているように見えるが、実は彼女たちも所詮は、大人たちが作り上げた社会でしか生きることが出来ないのだ。彼女たちがリアルだと思っていた世界は、真のリアルワールドとは呼べなかった。

ゆこりん : 10:28 | 作者別・・き他