« 月夜に遊ぶ天使たち(越阪部重之) | メイン | 深尾くれない(宇江佐真理) »
2003年7月15日
三月は深き紅の淵を(恩田陸)
「三月は深き紅の淵を」。配るときからさまざまな条件がつけられていた本だった。その本をめぐり人々の思惑が交錯する、不思議な物語。キーワードとなる本の名前が、そのまま作品の題名にもなっている。
コピーをとってはいけない、作者を明かさない、友人に貸す場合はたった一人だけで、それも一晩だけ。さまざまな条件をつけられた「三月は深き紅の淵に」という本。だがこの本は、その存在さえも疑わしいところがあった。この作品は、本を探す話、本の作者をつきとめようとする話、本が書かれようとしている話、本が書かれている最中の話の4部作になっているが、どれも独立した話になっていて、関連性がないように見える。だがどれもが「三月は深き紅の淵を」の本にまつわる話なのだ。人がそれぞれその本をどうとらえるかで、本はどんな姿にでもなり得る。人の数と同じだけの種類の「三月は深き紅の淵を」の本が存在する。そんな気さえした。
ゆこりん : 11:22 | コメント (2) | トラックバック (1) | 作者別・・おんだりく
このリストは、次のエントリーを参照しています: 三月は深き紅の淵を(恩田陸):
» 小説「三月は深き紅の淵を」の感想 from チェック!エンタテイメント
三月は深き紅の淵を
恩田 陸
個人的評価:★★★★☆
4作の短編集です。ただ、単なる短編集じゃなくて、
それぞれ、「三月は深き紅の淵を... [続きを読む]
トラックバック時刻: 2005年10月24日 22:01
コメント
なかなか面白かったとは思うんですが…
なんか奥が深いですよね?これ(笑)
よく理解できなかった部分がいくつかあるんですが^^;
投稿者 いわっち : 2005年10月24日 22:05
いわっちさん、ヾ(@⌒ー⌒@)ノおはよう
恩田さんの作品は一度読んだだけでは分からないのが
多いですよね。私も奥が深いと思いました(^^;
さっきいわっちさんの感想も拝見してきました。
「麦の海に沈む果実」、まだ読んでいないので
読みたくなったわ~(o^-^o)
投稿者 ゆこりん : 2005年10月25日 07:56