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2003年7月 7日

真相(横山秀夫)


10年前に息子を殺した犯人が逮捕された。通り魔的犯行。当時はそう思われていた事件だったが、犯人の口から、殺された息子の意外な一面が浮かび上がった・・。表題作「真相」を含む5編の短編を収録。

事件が解決したといっても、そこで全てが終わるわけではない。人の心の中にいつまでもしこりのようにその事件は残り、割り切れない思いがずっと続いていく。この作品の中に描かれている人たちも、さまざまな悲哀を抱えて生きている。おそらく人生を終えるその日まで、この先ずっと引きずって行くのではないだろうか?やりきれない思いが残る作品ばかりだった。

ゆこりん : 11:10 | 作者別・・よこやまひでお