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2003年7月 6日

半落ち(横山秀夫)


現職警察官が、アルツハイマー病だった妻を絞殺した!彼は自首し、素直に動機や犯行状況を供述する。しかし、殺害してから自首するまでの2日間の行動については、決して語ろうとしなかった。「空白の2日間」にいったい何があったのか?彼が書いた「人生50年」の意味とは?

妻を殺害した後、自殺しようとした梶総一郎。しかし彼は思いとどまり、2日の後に自首した。「なぜ2日たってから?」その謎を軸として、警察官、検事、新聞記者、弁護士、裁判官、刑務官などの、それぞれの視点から話が描かれ、内容が深みのあるものになっている。梶が決して語ろうとしなかった2日間の行動。それが明らかになったとき、言いようのない悲しさが込み上げる。罪を償い、力強く生きてほしい!そう願わずには、いられなかった。

ゆこりん : 11:04 | 作者別・・よこやまひでお