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2003年7月 4日

みだれ髪(与謝野晶子)


歌集「みだれ髪」をわずか22歳のとき発表した与謝野晶子。
その全作品399首と、彼女の生涯を描く。




明治時代、まだ女性の地位がそれほど認められていないこの時代にあって、
与謝野晶子の作る歌、その生き方は、若者には共感されたが、大人たちは眉を
ひそめた。しかし彼女は、自分に正直に歌を詠む。その歌はその時代のもの
とは思えない大胆さだ。臆することなく堂々と自分の気持ちを歌にする彼女の
生き方は小気味よい。鉄幹との出会いから、結婚、そして永遠の別れ。彼女の
生涯は決して平穏な日々ばかりとは言えないが、充実したものだったに違い
ない。鉄幹と晶子の生涯を描いた渡辺淳一さんの作品、「君も雛罌粟われも
雛罌粟」(雛罌粟・・こくりこ)を読むと、この「みだれ髪」の世界がもう
少しあざやかに見えてくるかもしれない。

ゆこりん : 10:58