« アジアンタムブルー(大崎善生) | メイン | 永遠の出口(森絵都) »

2003年6月13日

機関車先生(伊集院静)


わずか120人の人が暮らす葉名島。この島にある生徒7人の水見色小学校。この小さな学校に、一人の先生が赴任した。彼は小さい頃の病気が原因で、口がきけなかった・・・。

美しく自然豊かな島。その中で暮らす人たちの悲喜交々。人々の日常は決してきれいごとばかりではない。悩みもあればいさかいもある。貧しさゆえの悲劇も起こる。それは大人たちばかりの問題ではなく、子供たちの中にもある。「機関車先生」と呼ばれる吉岡誠吾。彼は口がきけないけれど、精一杯のやさしさで子供たちに接する。言葉にしなくても、心から心へと伝わるものがあるのだ。ほのぼのとした思いが伝わってくる、ちょっぴり切ない作品だった。

ゆこりん : 14:26 | 作者別・・いじゅういんしずか