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2003年6月 5日

プリズンホテル2 秋(浅田次郎)


「プリズンホテル」で、大曽根一家と、警察の慰安旅行の団体が鉢合わせ!この結末果たしてどうなることやら・・。おなじみの小説家木戸孝之介、元アイドル歌手とその愛人など個性豊かな登場人物たち。往年の大スターと仲蔵親分の秘めたる過去も明かされて、物語は最高潮!

思わぬところで、思わぬ同士が鉢合わせ。あわてふためく関係者たち。何も知らぬ一般客。そのドタバタぶりが面白く、読んでいて笑ってしまった。しかし、ほろりとくる場面も。人間同士、職業も立場も何も考えずに、心を裸にして付き合えたら、こんなに素敵なことはないと思う。人はいろいろなしがらみにとらわれながら生活している。しかし、このホテルに来た客は、不思議と自分をさらけ出して行く。ありのままの姿、ありのままの心が見えたとき、そこには感動が生まれる。人間て素晴らしいなと、改めて感じさせてくれる作品だった。

ゆこりん : 14:07 | 作者別・・あさだじろう