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2003年6月 2日

プリズンホテル1 夏(浅田次郎)


ヤクザを描いた本が大ヒットし、人気作家になった木戸孝之介。彼は父親の七回忌のとき、叔父の木戸仲蔵から、彼が始めたホテルに招待される。叔父はヤクザ。そしてホテルは「任侠団体専用」!人が「プリズンホテル」と呼ぶこのホテルで、珍事件、怪事件が巻き起こる。

オーナー木戸仲蔵の甥である売れっ子作家木戸孝之介。定年を迎えた夫に離婚届を突きつけようと機会をうかがう妻と、何も知らない夫。心中を考える親子。まじめすぎたのが仇になり、あちこちのホテルを流転させられていたという過去を持つ花沢支配人。などなど数え上げたらきりがない、個性的な登場人物たち。だが同じホテルに集う彼らは絶妙なハーモニーを奏でる。そのここちよさに思わずうっとりさせられる。笑いあり涙ありの人間ドラマは読む者の心をとらえて離さない。さすが!見事な浅田節!

ゆこりん : 14:02 | 作者別・・あさだじろう