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2003年6月 6日

プリズンホテル3 冬(浅田次郎)


20年もの間救急センターで働いてきた看護士、患者を安楽死させた医師、自殺志願の少年、おなじみの木戸孝之介。さまざまな人たちが、ホテルに集う。笑いの中にも、「命」というものを深く見つめた、感動のシリーズ3作目。

「命」というものを、それぞれの立場から見つめている人たちがホテルに集まった。生きるか死ぬか、ぎりぎりの境目の患者相手に奮闘する救急センターの看護婦長。苦しむ患者から苦痛を取り去るため、安楽死させてしまった医者。いじめが原因で自殺しようとする少年。そんな人たちの心の傷をやさしく癒してくれる・・。絶望の淵に立っている者に、暖かい手を差し伸べてくれる・・。プリズンホテルはまさにそんなホテルだ。笑いの中にも、作者は命の大切さ、尊さをしっかり描きこんでいる。苦悩の中から新たな生きる希望を見い出していく人間の姿は感動的だ。生きるということがどんなに素晴らしいことか、この本は私たちに語りかけている。

ゆこりん : 14:10 | 作者別・・あさだじろう