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2003年5月27日

T.R.Y.(井上尚登)


1911年、日本人詐欺師伊沢修は刑務所に服役中、関という中国人から、ある計画遂行の協力を依頼される。それは革命に必要な武器の調達。しかも方法は詐欺。相手は日本陸軍参謀だった!横溝正史賞受賞作品。

権力のぶつかり合い、中国や朝鮮の人たちの反日感情、それぞれの利害関係などがうずまく中、巧みにそれを利用し、相手をだまそうとする。その駆け引きにわくわくした。だましだまされ、お互い相手の裏をかこうとする。果たして最後に笑うのは?混沌とする時代の中を駆け抜けた男たち一人一人も、魅力的に描かれている。ただ、伊沢修が生きた時代の歴史的背景をある程度理解しているかどうかで、この本の面白さの度合いが、人によって変わってくるのではないだろうか?読んでいてそう感じた。

ゆこりん : 14:53 | 作者別・・い他