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2003年5月24日
動機(横山秀夫)
一括保管していた30冊の警察手帳が盗まれた。周囲の反対を押し切り、一括保管という新制度を導入した貝瀬は窮地に立たされる。果たして犯人は?そしてその動機は?表題作「動機」を含む4つの短編を収録。日本推理作家協会賞受賞作品。
4つの短編の中、やはり「動機」が一番よかった。心理的に追い詰められていく貝瀬の心理描写が素晴らしい。そのあせり、動揺が読む側にも伝わってくる。ラストまでの持って行き方も見事。とてもいい作品に出会えたという感じがした。他の3編もよかった。登場人物の描写がすぐれていると思う。迫力ある文章、ちょっと意外性のあるラスト。読み手に満足感を与える作品だった。
ゆこりん : 14:51 | 作者別・・よこやまひでお