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2003年1月18日

水の時計(初野晴)


脳死と診断されながら、月明かりの夜特殊な機械を使い、言葉を話すことが出来る少女葉月。彼女は少年昴(すばる)に臓器移植を必要としている人を探し出し、自分の臓器を届けてくれるよう依頼する・・・。第22回(2002年)横溝正史ミステリ大賞受賞作品。

現代版「幸福の王子」。ただし、分け与えるのは宝石ではなく、自分の臓器という今までにない発想の作品。脳死と判定されても、本当に当人が意識不明なのかは、判断できないという。全ての状況を理解することが出来るのに、自分の意思を伝える手段がまったくない状態で横たわっているのかもしれないとさえ言う人がいる。葉月はまさにそんな少女だ。自分の命が少しずつ切り取られていくとき、少女は何を考え、どんな思いでいたのだろう。「いのち」、この言葉の重さが、ずしりと心にのしかかる。

ゆこりん : 16:09 | コメント (2) | トラックバック (4) | 作者別・・は他

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アマゾンの評価を見ると賛否両論のようですが、私はとても興味深く読むことができました。確かにちょっとファンタジックな面もありましたが、今まであまり自分自身の中で臓... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2004年11月 2日 09:20

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新作『漆黒の王子』が出たので、デビュー作のリバイバルレビューなどを。 『漆黒の王子』の感想は、でこぽんさんに譲ります(^.^) では・・・ 本書『水の... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2004年12月22日 18:40

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 今回は 「水の時計」 初野 晴著 です。この本は横溝正史生誕100年記念の2002年度の第22回横溝正史ミステリー大賞受賞作です。 [続きを読む]

トラックバック時刻: 2006年1月 9日 19:49

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トラックバック時刻: 2006年3月 5日 15:14


コメント

こんばんわ。
カキコありがとうございました。
とても綺麗な作品だなぁと思いました^^
昴と葉月の境遇が本当に切なくて。
もっと早く出会っていたら、2人の人生もちょっとは変わっていたのかなと…。
切なかったです。

投稿者 苗坊 : 2008年5月12日 22:23

>苗坊さん
( ^-^)ノ(* ^-^)ノこんばんわぁ♪
切ない作品ですね。
昴と葉月の出会い、思い返すと胸が痛みます。
早く出会っていたらと、考えずにはいられません。

投稿者 ゆこりん : 2008年5月13日 19:36