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2002年11月22日

海峡(伊集院静)


いろいろな事業を展開する父、それを陰で支える母、家に出入りする、父のところで働く者たち。さまざまな人間のいる家で、英雄は長男として生まれた。人との出会いと別れの繰り返しの中で、英雄はしだいに成長していく。3部からなる自伝的小説の第1作目。

幼年時代の英雄の心の動きや、それを取り巻く人達の心情などがとてもよく描かれている。英雄は日常生活の中の出会いや別れを通して、人間の喜びや悲しみをつかみとっていく。そして、だんだんと精神的に成長していく。その過程がとても面白い。これから英雄がどういう人生を歩んでいくのか、目が離せない。

ゆこりん : 12:19 | 作者別・・いじゅういんしずか