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2002年9月22日
アルジャーノンに花束を(ダニエル・キイス)
知的障害を持つチャーリイは、現代科学によって知能を高められたネズミのアルジャーノンを見て、自分も同じように頭がよくなりたいと思い、手術を決意するが・・・。
チャーリイは高い知能を得たかわりに、いろいろな大切なものを失っていく。それは友情、信頼、尊敬という、生きていく上で必要なものだ。人間は、本来持って生まれたものを変えてはいけないのではないだろうか?自然の大きな流れに逆らって泳ごうとしても、力尽きて流されるだけだ。人が生まれてくる時、必ずそこには人それぞれの意味があるという。チャーリイが生まれ、そして生きているのは、やはりなんらかの意味があることだと思う。
チャーリイはアルジャーノンを見て自分の未来を悟る。だがそれは、決して不幸なことではない。チャーリイが本来の笑顔を取り戻すことなのだから。