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2013年12月21日

疾風ロンド(東野圭吾)


恐ろしい生物兵器が盗みだされ、スキー場近くの雪山に埋められた。春になり雪が解けて気温が上昇すれば散乱し、多くの犠牲者が出る!だが、3億円払えと要求してきた犯人は事故死してしまった!栗林は上司から事態収拾を命じられる。息子とともにスキー場に向かった栗林に、数々の困難が立ちはだかる。はたして彼は、無事に解決できるのか!?

息子の力を借りスキー場にやってきた栗林だが、スキーのできない彼の行動は滑稽というしかない。「生物兵器が空中に拡散すれば多くの犠牲者が出るという緊迫した状況なのに、この緊張感の無さは何だ!」と、読んでいて思わず突っ込みを入れたくなる。ミステリーというよりはほとんど喜劇に近いのでは?
さまざまな人間のさまざまな思惑が入り乱れ、事態は二転三転し思わぬ方向に動いていく。「いったいラストはどうなるのか?」ハチャメチャな展開だが、最後まで目が離せなかった。そして、窮地に陥ったかに見えた栗林だが・・・。最後は笑えた。思わず「ウフフ♪」と声が出てしまった。
軽快でテンポよく、すらすら読める。読後も心地よい余韻が残った。面白い作品だと思う。

ゆこりん : 19:47 | 作者別・・ひがしのけいご