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2013年12月 9日

短編工場(集英社文庫編集部編アンソロジー)


どの話も宝石のごとく輝く!2000年代に「小説 すばる」に掲載された短編作品の中から、集英社文庫編集部が選びに選び抜いた12編!すごい作家のすごい作品がぎっしり詰まった贅沢な短編集。

この本を本屋さんで手に取り、収録されている短編の作者12名の名前を見たときに思わず、「これを買わないなんて嘘でしょ!」と思ってしまった。桜木紫乃、道尾秀介、奥田英朗、桜庭一樹、伊坂幸太郎、宮部みゆき、石田衣良、乙一、浅田次郎、荻原浩、熊谷達也、村山由佳。このそうそうたる顔ぶれ!ワクワクしながらページをめくった。短編集にありがちな内容のばらつきがなく、どの作品も甲乙つけ難し!作者の個性が光るものばかりだ。宮部さんの「チヨ子」は一度読んでいるが、何度読んでも楽しめる♪ 村山さんの「約束」も以前読んだにもかかわらず、また涙ぐんでしまった。荻原さんの「しんちゃんの自転車」は、切なくそしてほろ苦い。乙一さんの「陽だまりの詩(シ)」も、SF的な不思議な雰囲気の話だった。久々にステキな短編集と出会った。読後も深い満足感を味わった。読みごたえのあるとても面白い作品だと思う。

ゆこりん : 19:51 | 作者別・・あ他