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2013年6月14日
ねずみ石(大崎梢)
サトは、地方に伝わる祭りを研究しているいとこのために神支村のことをレポートにまとめたいと言う友人セイの手伝いをすることになった。けれどセイは、レポートのことよりねずみ石に強く興味を示すようになる。なぜ?やがて、サトとセイは4年前の殺人事件の真相に迫っていくことになるのだが・・・。
神支村の子供たちなら誰でも知っている「ねずみ石」。それは、願いごとをかなえてくれる、一生に一度きりの大切な宝物だった・・・。
4年前の祭りの日、ねずみ石を探していたサトは一時行方不明になる。同じ日、村では悲惨な殺人事件が起こっていた。そして、記憶をなくして戻ってきたサト・・・。セイの不可解な言動は?4年たった今も犯人が誰かわからない事件の真相は?事件の謎を解くカギはサトの記憶の中にあるのか?新たな事件も起こり、事態は意外な展開を見せる。読んでいて目が離せなかった。のめり込むほどではないが、適度な緊張感を持たせてくれる作品だ。人物描写もていねいで、読んでいると登場人物ひとりひとりの個性があざやかに浮かび上がってくる。特にサトとセイが魅力的だった。ミステリーの内容自体は平凡で、犯人像や犯行動機も読んでいてそれほど引きつけられるものはなかったが、読後感は悪くなかった。
ゆこりん : 19:43 | 作者別・・おおさきこずえ