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2013年2月25日

盤上の夜(宮内悠介)


海外で四肢を失った由宇にとり、囲碁盤は自分の感覚器だった。棋士たちの一手一手が由宇の体の地図にプロットされ、やがて1枚の棋譜となっていった・・・。囲碁という過酷な戦いの中に身を置いたひとりの女性を描いた表題作「盤上の夜」を含む6編を収録。

洗練された技術や鋭い刃物のような研ぎ澄まされた感覚などを駆使して、 "戦士"は「盤」という戦場で戦う。囲碁、チェス、将棋、マージャンなど、盤上で繰り広げられる戦いには、つねにさまざまなドラマがある。6編どれも、今までとは違う何かを持っていると感じながら読んだ。けれど、残念ながら、共感できたかと問われれば否定せざるを得ない。この作品は、好き嫌いが大きく分かれる作品ではないだろうか。ルールがある程度分からなければ楽しめないところがある。特に「清められた卓」では、麻雀のルールを知らないと面白さ半減、いやそれ以下だと思う。評判がいいので読んでみたが、あまり魅力は感じず、いまいちだった。異色性は感じたのだが・・・。

ゆこりん : 17:42 | 作者別・・み他