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2010年11月15日

極北クレイマー(海堂尊)


財政破綻の危機的状況にある極北市。その中で赤字にあえぐ極北市民病院に、ひとりの外科医がやってきた。彼の名は今中良夫。さまざまな問題を内外に抱えたこの病院に、はたして未来はあるのか?

財政破綻した市。赤字に苦しむ市立病院。そして、いろいろ生じる医療関係の問題。それはまさに現代社会が抱える問題だ。もうどこにも逃げ場がない。抜け出したくても道が見えない。医療現場の混乱がひしひしと伝わってくる。この悲惨な状況からどう事態を好転させるのか?今中の行動に注目したが、読んでいて絶望感だけしか感じなかった。「どこをどうすればいい」という、小手先だけの対策はもはや通用しないのだ。ラストも、とても後味の悪いものになっている。弱いもの、貧しいものは、切り捨てられる運命なのだろうか?やりきれない思いだけが残った。

ゆこりん : 16:13 | 作者別・・かいどうたける