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2010年8月20日

三匹のおっさん(有川浩)


「60代がなんだ!まだまだ若いものには負けん!」
剣道の達人キヨ、柔道家で居酒屋の元亭主シゲ、機械にかけては天才的なノリ。かつての悪ガキ3人組が、町内の悪に敢然と立ち向かう!6つの話を収録。

起きる事件は大きな事件ではないけれど、そこに住む人たちにとっては大問題なことばかり。そんな事件を解決すべく立ち上がった3人組、キヨ、シゲ、ノリ。それぞれの特技や人生経験を活かし、さらに絶妙な団結力で事件を解決へと導く。かっこよさや派手さはないけれど、彼らの活躍は爽快だ。どこにでも起こりうる身近なできごとを題材にしているだけに、読んでいて身につまされる。私の住んでいる所にも、こういう3人組がいたらいいなぁと思ってしまう。
彼らの活躍も楽しいが、彼らと彼らの家族との係わり合いもよく描かれていて楽しく読んだ。人はみな年をとる。でも、この3人組のように、人の役に立ちながらこんなふうに生きられたなら、老後も楽しいかもしれない。明るく、読後もさわやかさが残る作品だった。

ゆこりん : 17:42 | 作者別・・ありかわひろ