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2010年6月25日
後悔と真実の色(貫井徳郎)
若い女性が連続して殺される事件が起きた。被害者は皆、手の人差し指を切り取られていた。犯人の狙いは何か?一方、ネットの掲示板には殺人予告や殺人実況中継が!!捜査一課の西條は、持ち前の鋭い洞察力で犯人に迫ろうとする。だが、恐るべき罠が彼を待っていた・・・。
連続殺人事件を軸に、その捜査に関わる者たちを克明に描き出している。真相究明、犯人逮捕・・・。同じ目的に向かって進んでいるはずなのに、立場の違いからさまざまな問題が噴出してくる。憎悪、確執、ねたみなどがむき出しになり、人間関係の醜さが浮き彫りになる。そんな中、犯人像が掴めないまま、彼らは右往左往する。そして、真相に迫ろうとする西條も窮地に立たされる。
登場人物が多すぎて、最初ひとりひとりの人物像がつかみづらかった。また、500ページという長さは本当に必要だったのか?という疑問も感じる。読んでいて途中で退屈さを感じる部分があった。犯人も途中から分かってしまい、面白さ半減だった。犯人の動機も弱いのではないか?いまひとつ、のめり込めない内容の作品だった。
ゆこりん : 19:30 | 作者別・・ぬくいとくろう