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2009年12月26日

ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。(辻村深月)


望月チエミが、母を刺し姿を消した。幼なじみだった神宮司みずえは彼女の行方を追う。チエミと関わりのあった人たちを尋ね、何とか手がかりを得ようとした彼女だったが・・・。

チエミは、なぜ母を刺して命を奪ったのか?あんなに仲が良かったのに。みずほはチエミの知り合いたちを尋ね、話を聞いていく。そこから浮かび上がるチエミと家族との絆・・・。第3者から見て、それは異常とも思える仲の良さだった。逆にそのことが、チエミと母との間に溝を作ってしまったのか?絆の深さの分だけ、溝も深くなってしまったのか?一方、みずほと母の関係は決していいとは言えないものだった。みずほは常に、母との間に距離を置こうとしている。仲が良くても悲劇は起きる。仲が良くないことも悲劇だ。けれど、チエミとみずほ、どちらの生き方にも是非を問えないような気がする。どんな場合でも、母と娘の関係は特殊で微妙だ。ラストは、胸が締めつけられるようだった。読んでいて、私も無性に母に会いたくなった。母は、いつでもどんな時でも娘を愛している。母とはそういうものなのだと、強く心に感じた。

ゆこりん : 14:07 | コメント (2) | 作者別・・つじむらみづき


コメント

こんにちは^^
私も丁度先日読み終えたんです。奇遇ですね。
とっても重たかったですが、止まらなかったです。
親子の愛の形って、もちろん家族によって違うんですけど、それによって微妙な齟齬が生じたりして、微妙な関係なんですよね。
でも、切ってもきれないのが親子で。
最終的には自分の味方でいてくれる人だと思います。
特に母親は。
みずほの母親の昔の事は許せないと思うし、チエミの母親との異常ともいえる関係もうーん。。。と思うし。
でも、実際にもありそうだなとも思ったり。
とってもいろんなことを考えてしまいました。

投稿者 苗坊 : 2009年12月27日 13:42

>苗坊さん
こんにちは~。
ごぶさたしています(^^;
私も、みずほの母親のことは許せないと
思います。ひどい・・・。
母と娘の関係は微妙ですね。
自分自身を顧みてもそう思います(*^^)
世の中、いろんな親子関係がありますね~。

投稿者 ゆこりん : 2009年12月27日 16:08