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2009年8月24日

出生率0(大石圭)


人間の受精卵が、細胞分裂をやめた・・・。
そのときから人類は滅亡の道をたどりはじめる。未来の見えない世界で人はどう生きていくのか?近未来を舞台に、人類滅亡という恐怖を描いた作品。

人類の数を示すカウンターの数字が、毎日恐ろしいほどの速さで減っていく。だが、誰ひとりとしてそれを止めることはできない。人類は滅亡への道を突き進むしかない。子孫に残す必要のあるものはもう何もない。こういう状況に置かれたら、人はどうなってしまうのだろう?興味津々でこの作品を読み進めたが、期待していたほどではなかった。すさんでいく状況を書きたかったのだろうが、作者の描く世界があまりにも異常でリアリティーがなく、人類滅亡という危機的な状況と結びついていかない。また、この作品の中ではさまざまなエピソードが述べられているが、そこには何の脈絡もなくただの羅列になってしまっている。いったい作者は、何を読み手に伝えようとしているのか?まるで理解できなかった。読後は共感も感動もなく、不快感だけが残った。

ゆこりん : 16:39 | 作者別・・お他