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2008年12月15日
猫と針(恩田陸)
友人の一人が不幸な死に方をした。その葬式の帰りに5人の仲間が集まった。誰かが席を立つたびに、その席を立った人物について残った者たちが語り始める・・・。彼らがそれぞれの心に抱える思いとは?
おそらく戯曲を読んだのは初めてだと思う。限られた空間の中にいる5人の会話から、読み手はさまざまなことを推し量らなければならない。どんなしぐさで、どんな口調で、どんな表情で?それは読み手によってかなり違うものになるような気がする。小説を読むのとはまったく違う。読むのにかなり神経を使った。読み手がこれだけ苦労するのだから、書くほうはもっと大変だったと思う。その大変な苦労が、「『猫と針』日記」に切々と書かれている。読んでいると胃が痛くなりそうだ。でも、自分が頭の中で作りあげた世界とどれくらい違うものなのか、実際の公演を見たかった。見られないのが残念!
ゆこりん : 19:38 | 作者別・・おんだりく