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2008年3月26日

夜の果てまで(盛田隆二)


北大生の俊介がバイトしているコンビニに現れては、「M&M」のチョコレートを堂々と万引きしていく女性・・・。俊介はいつしかその女性、涌井裕里子に惹かれていく自分を感じていた・・・。

一回りも年上の女性との恋愛。しかも女性には家庭がある。お互いいけないとは分かっていても、突き進まずにはいられない・・・。
もし裕里子と同じ年代のときに読んだのなら、共感する部分もあったかもしれない。だが、俊介と同じ年頃の息子を持つ立場で読んだ今は、もう少し裕里子に自制心があったのなら・・・と思ってしまう。そういう意味では微妙な内容だった。先妻との縁が切れない夫や、嫌味な姑、反抗を続ける義理の息子・・・。そういう家庭の中、自分の居場所がないと感じる裕里子に同情できる部分もあるのだが、卒業間近で就職先も決まっていた若者の人生を狂わせてしまったという思いは否めない。二人の恋愛にはどうしても共感はできなかった。

ゆこりん : 15:57 | 作者別・・も他